アズサが着物を始めるまで①
周囲から
「どうして着物を着始めたの?」
「どうやって始めたの?」
というご質問をいただく事が多くなりました。
私が着物に辿り着くまでのことを、少しだけ振り返ってみようと思います。
小さな頃から、剣道を習っていたので袴を着ることが大好きでしたし、
夏は浴衣で地元の夏祭りに繰り出し、夢中で盆踊りを踊り狂っていました。
自分でも着られるようになりたくて(一刻も早く踊りに行きたくて)
母の着付けを見よう見まねで、自分自身でも着られるようになっていました。
いよいよ成人式の歳が来ました…が!母は「金の卵」世代!
中学を卒業してすぐに集団就職をして、成人式の着物も自分で誂えた人。
養われて浪人までさせてもらって、大学生をしている自分は、そんな母に振袖を着たいとは格好悪くて、とても言う事ができませんでした。
スーツで参加してしまった成人式、幼馴染み男子たちに紛れて、綺麗に着飾った女子たちに熱視線を送るしかなかったのです。
大学卒業後、小さな映像の制作会社に就職しました。
みんながキラキラ夢を追いかける素敵な会社でしたが、
シンプルにいうと、「THE ワーキングプア」です。
ある夏の日、会社のパーティで参加者に浴衣を着せることになりました。
着せてはまた次、また次…と汗をかきながら一人で大人数に着せ続け…
やっと終わって会場に出ると、そこには別世界が。
↑小さいけど、写真が残っていたみたい!
そんなに贅沢もできない生活で、オシャレもままならないけれど、
浴衣を着た同僚の女子たちは、本当に可愛くて、ちょっと誇らしげ。
それを見つめる人たちも、花を愛でるような優しい表情でした。
あれ、こんな小娘だけど、ちょっとパーティを楽しくできた…かも?
「着物が着たい、着物を着せてあげられるようになりたい」
そんな思いが、日に日に強くなって行きました。
ですが、当時の私は生活に精一杯で、着物を買う財力もなく、
憧れだけで終わってしまうのかしら…という危機感だけが募っていきました。
ある日、会社に持ちきれない程の大きな段ボールが届きました。
送り主は、大学時代の恩師。
開くと、中には沢山の着物や着付けの道具が入っていました。
「妻の着なくなった着物を送ります。これで始められるよね?」と。
…これで始められる!そう思ったのでした。(続く)
恩師から送って頂いた着物たちの中でも、一番のお気に入りはこの帯♡
いまだにヘビロテです。※ドヤ顔ですいません…