七五三に奔走するママを応援するの巻
外に出ると金木犀が香り、すっかり秋ですね。
秋といえば七五三シーズン!有難いことに、写真館から七五三の撮影着付けのご依頼を頂いたり、身近な方からお子様の七五三のお問合せを頂戴する機会が増えてきました。
七五三の発祥は諸説ありますが、シンプルに言うと「子どもの成長を祝う日」。
三歳は「髪置き(かみおき)」…もう赤ちゃんではないから髪を伸ばします!
五歳は「袴着(はかまぎ)」…袴を着れるようになったね!
七歳は「帯解き(おびとき)(紐(ひも)解き)」…大人と同じ帯が結べるね!
正直に言うと、お客様からお問合せを頂いても分からない事はあります。着物の教科書に載っている王道のパターンをお伝えし、全部新しく揃えてくださいというのは簡単。けれど、ご家族から伝わっているお着物を大切に着用したい、自分たちのオリジナルな七五三をしたい…お問合せの内容は様々です。
私は弱冠三十数歳。着物の歴史は1000年以上!全てを網羅するには若すぎます。ただ、着物が好きなので、分からない事は自分でも知りたい。図書館に行って資料を読み、呉服屋さんに質問に行き…人生の先輩に相談…。(地域差もあるので、回答が全部違う事もあるんです!)
そんな時に、思い出すのがこの一枚の写真。
ぷぷーっ!振袖を着た美味しそうなおまんじゅう…3歳の時の私です。
3歳ですが、伯母からこの七五三セットを戴いたので被布ではなく振袖です。着せられても、グズるどころか自分がお姫様になったかのような気分でノリノリだったそう(笑)
でも…詳しい方はお気づきですね?そうです、懐に入った「筥迫」につけるはずの「ビラ簪」という道具が髪に付けてあるんです。
※懐に差し込んである箱の上についているピラピラの金属のことです。
あの写真を公園で撮った直後、面識のないどなたかが突然「なにやってるの〜!?w 間違ってるじゃないのよ〜っw!」と、ビラ簪を「筥迫」に戻したのでした。
私の人生最初の着物の記憶はこのやり取りです。
いつも気をつけるのは、自分は黒子であるということ。
おめでたい日の主役は祝われる本人やご家族であり、着物はそれに添える一輪の花に過ぎません。だからこそ、おめでたい日を台無しにしないために…なにがあっても一日楽しく、良い思い出にしてもらいたいのです。
ご相談を頂いた時、まずは王道をお伝えします。王道から外れる時は、その選択に対する、様々な解釈をお伝えします。誰かに差分を指摘をされても「私たちは全て分かった上で、この方法を選択したんです」って、胸を張ってもらいたくて。誰のためでもなく、あくまでも、お子さんの成長を祝うことが目的なんですから♡
七五三のことを調べているうちに<<「びら簪」は「簪(かんざし)」の一種で、小物入れである「筥迫」に収納して、櫛のように髪を整えたり、武器にしたり、髪に飾ってもよかった>>と書いてある文章を見つけました。
仕事に家事に子育てに…忙しい中頑張って自分で着付けをしたのに、知らない人に突然間違いを指摘されて、恥ずかしくてうつむいていた母。あの時の母に、「大丈夫!間違いじゃないよ!」と応援するつもりで、ご相談いただいたママさん達を応援できたらと思います。
大好きな70歳の大先輩が「着物は正解がないから、勉強しても勉強しても、全然時間が足りない! まだ緊張して、着付けの前の晩はゆっくり眠れない…」と、仰っていました。知れば知るほど、自分の未熟さを思い知らされる着物の世界。1000年の歴史を前に見栄を張っても仕方がないので、誠実に一歩一歩勉強していきたいと思います。
まだ小さいけれど、一歩一歩…
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