あずさの「きものーと」

きもの教室を営むあずさが、愉快な日常を綴ります。教室移転準備のため、2016年は出張着付け教室となります。HPはコチラ→http://www.azusa.top

アズサが着物を始めるまで①

周囲から

「どうして着物を着始めたの?」

「どうやって始めたの?」

というご質問をいただく事が多くなりました。

私が着物に辿り着くまでのことを、少しだけ振り返ってみようと思います。

 

小さな頃から、剣道を習っていたので袴を着ることが大好きでしたし、

夏は浴衣で地元の夏祭りに繰り出し、夢中で盆踊りを踊り狂っていました。

自分でも着られるようになりたくて(一刻も早く踊りに行きたくて)

母の着付けを見よう見まねで、自分自身でも着られるようになっていました。

 

いよいよ成人式の歳が来ました…が!母は「金の卵」世代!

中学を卒業してすぐに集団就職をして、成人式の着物も自分で誂えた人。

養われて浪人までさせてもらって、大学生をしている自分は、そんな母に振袖を着たいとは格好悪くて、とても言う事ができませんでした。

スーツで参加してしまった成人式、幼馴染み男子たちに紛れて、綺麗に着飾った女子たちに熱視線を送るしかなかったのです。

 

大学卒業後、小さな映像の制作会社に就職しました。

みんながキラキラ夢を追いかける素敵な会社でしたが、

シンプルにいうと、「THE ワーキングプア」です。

ある夏の日、会社のパーティで参加者に浴衣を着せることになりました。

着せてはまた次、また次…と汗をかきながら一人で大人数に着せ続け…

やっと終わって会場に出ると、そこには別世界が。

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 ↑小さいけど、写真が残っていたみたい!

そんなに贅沢もできない生活で、オシャレもままならないけれど、

浴衣を着た同僚の女子たちは、本当に可愛くて、ちょっと誇らしげ。

それを見つめる人たちも、花を愛でるような優しい表情でした。

あれ、こんな小娘だけど、ちょっとパーティを楽しくできた…かも?

 

「着物が着たい、着物を着せてあげられるようになりたい」

 

そんな思いが、日に日に強くなって行きました。

ですが、当時の私は生活に精一杯で、着物を買う財力もなく、

憧れだけで終わってしまうのかしら…という危機感だけが募っていきました。

 

ある日、会社に持ちきれない程の大きな段ボールが届きました。

送り主は、大学時代の恩師。

開くと、中には沢山の着物や着付けの道具が入っていました。

「妻の着なくなった着物を送ります。これで始められるよね?」と。

 

…これで始められる!そう思ったのでした。(続く)

 

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恩師から送って頂いた着物たちの中でも、一番のお気に入りはこの帯♡

いまだにヘビロテです。※ドヤ顔ですいません…